2024年08月12日

元々あるブロック塀の上にフェンスを設置!穴あけ工事「コア抜き」を解説


住宅にフェンスを設置する場合、安全性のために基礎となるブロック塀が必要です。基礎の要らないことを謳ったフェンスもあるものの、安全性の面から考えると、基礎となるブロック塀は欠かせません。ブロック塀の上に設置するフェンスではあるものの、フェンスを設置する前提で積まれていないブロック塀の上に、フェンスを設置するには「コア抜き」という工事が必要になるのはご存知でしょうか。そこで今回は、穴あけ工事である「コア抜き」について解説していきましょう。

1.元々あるブロック塀の上にフェンスは設置できるのか?

元々あるブロック塀の上に、フェンスを設置できるのでしょうか。

1-1.上にフェンスを立てる前提で積まれたブロック塀

フェンス設置時にブロック塀を積む場合には、穴のあいた状態のブロック塀にフェンスを建てればいいので、ブロック塀に穴をあける必要がありません。

1-2.既存のブロック塀に穴のない場合

フェンスを設置する工事の際にブロックの積み工事も同時に行うことが多く、この場合にはフェンスを上に建てる前提なので、ブロック塀には穴をあけます。ところが既存のブロック塀にフェンスを新たに設置しようとするなら、ブロック塀に新しく穴をあける工事が必要でしょう。新築時は必要ないと思っていたものの、いざ住んでみると周囲からの視線が気になるのでフェンスをブロック塀の上に設置したいという人は、案外多いものです。

元々あるブロック塀の上にフェンスを新たに設置するため、フェンスの柱用の穴をあける工事が「コア抜き工事」です。コア抜き工事の作業工程については、後の章で詳しく解説していきましょう。上に新たに設置するフェンスの種類もさまざまな種類から選べます。

1-3.上にフェンスを設置できないブロック塀もある

上にフェンスを後付けできないブロック塀もあります。それは、次のようなブロック塀です。

・厚みが10cmしかないブロック塀
・鉄筋が入っているかわからない古いブロック塀
・隣家と共有のブロック塀

上記のどれか一つでも当てはまるブロック塀の場合は、その上にフェンスを設置するのは安全性の面で危険でしょう。そのような場合には、「独立基礎施工」がおすすめです。

独立基礎施工とは、ブロック塀はそのままに、地面に柱を直接埋め込んで、フェンスを設置する工法のことです。作業工程と、作業にかかる日数の目安は、次のようになるでしょう。

・1日目:穴掘りと柱建て
・2日目:柱建ての続きとフェンスの取りつけ
・3日目:残りの作業

2.「コア抜き」の作業工程とは?

ここからは、コア抜きの作業工程を詳しくお話ししていきます。

2-1.コア抜きする箇所にマーキング

コア抜き(ブロック塀に穴をあける作業)は、およそ2mごとに行い、フェンスの柱を建てられるようにします。まずは、コア抜きする箇所を測りながら印をつける作業から始めます。コーナー部分や、なにか別のものがある場所には、穴はあけられません。そのような場所は調整して避けるようにします。新たにつけるフェンスによって柱の間隔は微妙に違ってくるので、現場調査した際に専門家によって確認が行われます。

この際に、万が一ブロックの老朽化がひどかったり、ブロック塀の厚みが足りなかったりして強度の保てない可能性のある場合は、コア抜きはできません。その場合には新規にブロック積み工事を行うか独立基礎施工を行うかすることになるでしょう。

2-2.コア抜き

円形をした筒状の刃がついたコア抜き機で、穴をあけていきます。刃が高速に回転した状態でブロックに当てて穴をあけていくので、火花や粉塵が飛び散ることになります。それを防ぐために、通常コア抜きをする際には、水を少量流しながら穴をあけていくことが多いでしょう。この際、1つの穴をあけるのに、15分から20分程度かかります。ただし、コンクリートの密に詰まった擁壁などは、さらに時間がかかるでしょう。

また、ブロック塀の強度を保つために入っている鉄筋も、コア抜き機でそのまま切断します。そのため、コア抜きの際には大きな音がするのは避けられません。それでも、床のコンクリートを割るような作業と比較すると、そこまで大きな音ではありません。

コア抜きであける穴の深さは、15~25cmほどとばらつきがあります。また、新たに設置するフェンスの高さが150cmを超える場合には強度が必要なため、ブロック塀の上には設置が難しくなります。その場合には、独立基礎施工となるでしょう。

2-3.新設した穴にフェンスの柱を設置

コア抜きが完了したら、円柱状にあいたブロック穴に、フェンスの柱を建てていきます。フェンスの柱の方がブロック穴より細いので、フェンスの柱を立てたら、モルタルを重鎮して固定していきます。

2-4.フェンスの設置

固定されたフェンスの柱に、フェンスを設置していき、完成です。コア抜きの作業工程は、およそ次のようになります。

・1日目:コア抜き作業・柱建て
・2日目:フェンスのパネル設置

3.後付けできるフェンスの種類とは?

後付けできるフェンスは、とくに種類を問わず設置できるといえます。住宅に設置できるフェンスの種類には、次のようなものがあります。

3-1.完全目隠しタイプ

隣家の窓の位置が近い、人通りの多い通りに面しているなど、周囲からの視線を完全に遮りたい人は、完全目隠しタイプがおすすめです。ただし、通気性や日当たりが悪くなってしまいかねません。また、完全に周囲からの視線を遮ってしまうのは、防犯上に問題の生じるケースもあるのはご存知でしょうか。一度侵入してしまえば周囲から見えないため、意外にも完全に目隠しされている家は空き巣などに狙われやすいのです。囲いの一部のみ完全目隠しタイプのフェンスにするのも、一つの手でしょう。

3-2.半目隠しタイプ

アルミ製や天然木製、樹脂製フェンスなどに多い、周囲からの視線を遮りつつ日当たりや通気性も確保できるのが半目隠しタイプです。パネル間の隙間の大きいほど、風通し・日当たりはよくなるもの、視線を遮る効果は減少します。

3-3.ルーバータイプ

細い羽板が平行に並べられた構造のフェンスが、ルーバーフェンスです。羽板同士の間隔は狭く、風を通しながら、視線はほぼ完全に遮れるでしょう。羽板の角度を調節できるものもあります。

3-4.目透かしタイプ

すりガラスのように半透明のパネルを設置すれば、やわらかな光が入り、完全な目隠しにはならないもののシルエットはぼんやりします。植栽や照明と組み合わせれば、おしゃれな雰囲気になるでしょう。

4.フェンスを後付けする際の注意点とは?

フェンスの後付けを検討する場合、次のような点に注意しましょう。

4-1.ブロック塀に後付けするフェンスの高さには限界がある

フェンスは高さが増すごとに強度が必要になります。ブロック塀の上に後付けする場合には、プラス190cmが限度だといわれています。それ以上の高さはブロック塀の強度が足りず危険であり、あまりに高く隣家とのトラブルにもなりかねません。

4-2.共有ブロックではないか確認する

隣家との共有ブロックだった場合、勝手に工事はできません。境界杭を確認しましょう。

4-3.フェンスを後付けして後悔することも

フェンスを後付けしたものの後悔する理由としては、「日当たりが悪くなった」「圧迫感が出てしまった」というものが多くあります。とくに設置する高さについては、むやみに高くしない方がいいでしょう。

5.まとめ

元々のブロック塀の上にフェンスを設置するには、フェンスの柱を刺すための穴をブロック塀にあける、「コア抜き」という工事が必要です。コア抜きをすれば既存のブロック塀の上に、フェンスは設置できるものの、設置するフェンスの種類や素材、高さなどはよく検討しましょう。

「フェンス工業株式会社」は、外構・エクステリア・ガーデニング工事の専門店です。とくにフェンスは、一般住宅はもちろん、公共施設やマンションなどの大型施設、工事現場など幅広く対応いたします。業界45年以上の経験と実績がございますので、コア抜きの必要なフェンス設置もぜひお気軽にご依頼ください。

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