内装やインテリアにこだわる人は多いでしょう。しかし、実は人目に多く触れるのが外観や外構なのはご存知でしょうか。中でも玄関周りは「家の顔」とも呼ばれ、住宅の印象を左右する重要な部分なのです。そんな玄関周りを「玄関アプローチ」、または「玄関ポーチ」などと呼びますが、その違いは分からない人が多いかもしれません。そこで今回は、玄関アプローチについて、玄関ポーチとの違いや素材選びのコツなどを解説していきます。

「玄関アプローチ」とは？「玄関ポーチ」との違いとは？

「玄関アプローチ」と「玄関ポーチ」は、混同されがちですが違ったものを指す言葉です。「玄関ポーチ」とは、玄関を出てすぐのスペースを意味しています。一方で「玄関アプローチ」とは、道路から玄関ドアまでをつなぐ道を指しています。

玄関ポーチは屋根が掛かっていることも多く、建築面積に含まれるスペースです。そして玄関アプローチは敷地の入り口から玄関ドアまでの「通路」の役割が大きいため、建築面積には含まれないという違いもあります。

どんな土地にどんな家を建てても、玄関を出てすぐのスペースである玄関ポーチは存在するのです。一方で玄関アプローチは、土地の広さや土地における建物を建てる位置によって広さや長さが異なります。玄関アプローチは「外構」に含まれる部分なので、予算を確保しておかないと思うようなものにならない可能性があります。また、玄関アプローチのデザインや素材選びは、建物との相性も考える必要があるでしょう。

玄関アプローチに使われる素材とは？

玄関アプローチに使う素材は、どのようなものがあるのでしょうか。

敷石

石英石や御影石、石灰岩などを敷き詰める「敷石」は、和風・洋風どちらの玄関ポーチにもよく合います。石を置けばそこからは雑草が生えないので、メンテナンスも容易になります。

砂利

一般的に「化粧砂利」と呼ばれる、きれいな砂利が敷き詰められます。化粧砂利には、白っぽいものからベージュ、ブラウン、テラコッタカラーなどさまざまな色合いのものがあり、どんな色合いの化粧砂利を選ぶかで印象ががらりと変わります。

枕木

線路に使われる「枕木」を、玄関アプローチに使うことでナチュラルな雰囲気を演出できます。本物の木製の枕木は経年で劣化していき色あせていきますが、それも味わいになると人気を集めているのです。本物の枕木以外にも、枕木風に作られて木製・コンクリート製などのものも選べます。

レンガ

レンガを敷き詰めた玄関アプローチも人気です。レンガは色合いに濃淡があり、大きさも多少不ぞろいなので敷き詰めた時に独特の味わいが生まれます。グリーンとの相性も抜群で、ナチュラルで高級感・本物志向のある玄関アプローチにできるのです。本物のレンガは高価なのがネックですが、レンガ風のリーズナブルなものも売られています。

タイル

タイルは、大きさや質感、カラーなどのバリエーションが豊富です。サイズも均等にそろえて作られているので、玄関アプローチに敷き詰めるにもぴったりです。汚れも落としやすく、手入れのしやすさもメリットにあげられます。タイルの素材によっては濡れた時に滑りやすくなってしまうので、玄関アプローチに適した素材かどうかはチェックしましょう。

コンクリート

無機質でスタイリッシュな玄関アプローチにしたいなら、コンクリートがおすすめです。施工も簡単で、他の素材と比べてリーズナブルなのも魅力です。固まる前のコンクリートにさまざまな型を押し付ける工法「スタンプコンクリート」で、デザイン性も高められます。仕上げ方によってさまざまな風合いが演出できますが、雨で滑りやすくならないような仕上げにする必要があります。

天然芝・人工芝

天然芝は玄関アプローチをグリーンで鮮やかに彩ってくれるもので、クッション性もあります。年間を通じて緑ではなく、季節に応じた色合いの変化も楽しめますが、雑草を刈ったり肥料をやったりと手入れは必要です。そんな手入れの手間が不要なのが、天然芝に模して作られている人工芝です。好きな大きさや形にかっとすることもできて、玄関アプローチに使いやすいと言えます。

洗い出し

コンクリートが完全に固まってしまう前に水で表面を洗うことで、砕石や砂利を浮かび上がらせる工法が「洗い出し」です。滑りにくくシンプルで凡庸性が高いのが魅力ですが、職人の技が必要です。

植栽・花壇

庭でガーデニングを楽しみたい人におすすめなのが、玄関アプローチに植栽や花壇を取り入れることです。玄関アプローチは人目に付きやすい場所なので、ガーデニングのやりがいも大いに感じられることでしょう。レンガやコンクリート、タイルなどの人工物との組み合わせもおしゃれに決まります。

まとめ